4〜6年生|漢字は「読めて使える」ことが大事

漢字学習のゴールは「書ける」ことではありません。一字の意味を知り、どんな言葉があるかを知って漢字を自由自在に「使える」ようになることが大事です。しかし、「書ける」ことを重視しすぎて、漢字以外にも学習全般を邪魔してしまっては本末転倒です。だから、高学年の漢字学習では「読める」ことを優先しましょう。読める、つまり漢字を認識できるようになってから「使える」ことを目指す学習に取り組むとよいと思います。

漢字学習の本来の目的は「語彙学習」

漢字学習の最大の目的は「漢字を読めて、使える」ようになることです。

漢字を「読める」とは、漢字を見て(目で認識して)漢字の読み方が頭にパッと浮かぶ(記号が音に変換される)ことです。

つまり、目で見た漢字を音に変換するには、単漢字の読み方を知っていなければなりません。

そしてもう1つ大事なのは、その言葉を知っているかどうかです。

たとえば、習った音を組み合わせて初めて見る言葉を読めた(発音できた)としても、言葉の意味を知らない、わからない状態では「読めた」ことになりません。

知識や語彙をたくさんもっている大人は、文章のなかで初見の単語や言葉に出会っても文脈から意味を判断したり、推測したりできるかもしれません。しかし、知らない単語が複数ある場合はどうでしょう?

それは虫食いだらけ、穴だらけの絵を見るようなもので、文章の意味を正確に理解するのはむずかしいはずです。

たとえば、英語の長文のなかに発音できても意味のわからない単語がいくつも出てきたら、文章の意味がわかりにくいのはもちろん、読む気も失せるでしょう。

4〜6年生|読めるための復活方法

漢字を「使える」ってどういうこと?

「読む」ことが「インプット」だとしたら「使う」は「アウトプット」です。

自分の考えや意見を相手に伝えようとするときは、自分の頭にあるイメージを言葉に変換して外にアウトプットする必要があります。

自分のイメージをアウトプットする方法は、絵を書いたり、音楽を奏でたり、歌ったりなどいろいろあります。

話を単純化するためにここでは「漢字(言葉)」を使うことに限定して話しますが、漢字学習のアウトプットといえば多くの人が「書く」ことを想像すると思います。

しかし、日本語の「言葉」と「漢字」は密接に結びついているので、口に出して「話す」こともアウトプットの1つです。

そして、現代ではスマホやPCを使って「入力」するのも立派なアウトプットです。

つまり「漢字を使う」方法は「書く」以外にもいろいろあるのです。

漢字を「使いこなす」ために

当たり前ですが、学びの途中にある子どもたちはよくまちがえます。

そして、そのまちがいを正す方法はまちがえた漢字や書けなかった漢字を書けるように練習するだけではありません。

なぜならアウトプットする方法は「書く」以外の方法もあるからです。

加えて、インプットをまちがえていた可能性もあります。

漢字以外の学習全般に言えることですが、学習の精度を高めるのに必要なのはインプットとアウトプットをできるだけたくさん繰り返すことです。

この観点から言うと、会話を通じてコミュニケーションを図りながら取り組むのも立派な学習です。

たとえば、電子書籍のミチムラ式漢字eブックでは漢字一字につき最大6点の言葉をイメージ写真と一緒に紹介しています。

これらの写真を見ながら「写真で一言!」みたいに、短く作文してみるのはとてもよい学習です。

「鉱山で鉱石を発見した!」

「鉱石や鉱物と宝石のちがいを調べてみよう」

漢字を書けるように練習するのはアウトプット一辺倒の学習になりがちです。

だから、漢字学習を通じて使える語彙を増やして(インプット)、子どもたちの言葉の世界を広げることも意識して取り組むと、言葉を使いこなす(使い分ける)ことにつながって、大人になったときも役立つ実り多い学習になると思います。

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