高学年で習う漢字の82%は1〜3年の基本漢字と部品の組み合わせで書ける字です。これまで何度も書いてきた形ばかりの部品をポンポンと組み合わせれば書ける字がほとんどなので、1〜3年の基本漢字と部品を復習することが復活の近道です。部品の意味も復習するとさらによいでしょう。
高学年になると「画数が多くてごちゃごちゃして覚えられない。むずかしそうな字ばかりだ!」と多くの子が言います。
そして、実際に漢字学習から逃げようとします。すでに漢字を書けるようにすることをあきらめている子もいます。
なんともったいないことでしょうか。
ほとんどの子は、3年生までは頑張って漢字を覚えようとしていました。
やり方を工夫すれば、必ず復活できると私たちは信じています。
漢字学習に悩む多くの保護者が「漢字の書きが苦手」「書けない」の一言で済ませてしまいがちです。
しかし、漢字を書けないことにも様々なパターンがあり、それぞれに必要な対策が異なります。
ただし、文字を覚える初期段階で文字が枠の中におさまらない、そもそも線がうまく書けないという場合は、視認知や空間認知、手指の巧緻性などに課題がある場合があるので、専門家に相談したり、ICT端末の活用に切り替えることも考えたらよいでしょう。
漢字の書きに苦手さがあるケースは、下記の記事も参考にされてください。
漢字が苦手・覚えられない子どもへの支援とサポート方法何はともあれ、4年生以上の高学年で漢字を書くのが苦手な子は、1~3年生の漢字を復習するのが近道です。
しかし、高学年になって1年生の漢字を復習するのは本人のプライドが許さない場合もあります。
1年生の漢字は書けるケースが多いので、2〜3年生を中心に復習しましょう。
ただし、書く作業は必要最低限に留めてください。むしろ、いったん書く作業から離れましょう。
これまで散々書いても覚えられなかったのですから、何度も書く作業は必要ありません。
そもそも、漢字を覚える最初の段階からいきなり手本を見て書き写す一般的な学習方法が万人向けではありません。
細かい理由は省略しますが、漢字を一本ずつの足し算で全体をとらえようとしているうちは、覚えられなくても当然なのです。
低学年のころとちがって、高学年になる頃には1本ずつ線を書き足す単調な作業に嫌気がさして、漢字嫌いになっているケースも多いです。
得意な方法は人によってちがうので、思い切ってやり方を変えてみましょう。
漢字を「書けるようになる」ために押さえてほしいポイントは下記の通りです。
- 部分(パーツ)の組み合わせで漢字をとらえられるようになる
- 漢字を構成する部分(パーツ)は「基本漢字+部品+カタカナ」である
- 基本漢字と部品を書けるようになって、部品の名前を覚える
これらのポイントは、小学1〜3年生のわかりやすい漢字で感覚をつかむのが一番です。
しかも、4年生以上で習う漢字の8割は3年生までに習った基本漢字と部品の組み合わせで書けます。
だから、3年生までの漢字を復習することで、現学年の漢字テストでも80点以上を取れるようになります。
多くの場合、復習するのに何ヶ月もかかりません。急がば回れで、まずは復習しましょう。
繰り返しになりますが、ここでも何度も書く練習は必要ありません。
高学年の漢字を覚えるときは、部品の名前を言って、形をすぐに思い出せればよいのです。
頭に浮かぶようになっていれば、あとはアウトプットするかどうかの違いです。
漢字学習に苦手さがあって、すでに漢字嫌いになっている場合は、本人のモチベーションを維持するためにもなおさら書く作業は最低限に留めましょう。
「何度も書かなくても覚えられた!」「この方法ならイケる!」と本人が思えることが大事です。
ミチムラ式のやり方で1〜3年生の漢字を復習すると、高学年の漢字を覚えるのがラクになる理由は下記の記事に詳しく書いているので参考にされてください。
3年生・4〜6年生|ミチムラ式で取り組めば4年生以降の漢字がラクに覚えられる3年生まで漢字をがんばって覚えようとしていた子は、漢字の部品自体は書けるはずです。
「あ〜、あの漢字のアレね」と思い出せるケースも多いです。
しかし、「アレ」ではなく名前をしっかり覚えて、言葉で漢字を区別できるようになると、高学年の漢字がおもしろいほど入っていきます。
だから、復活するポイントは、3年生までの「部品」を覚えて、漢字を「基本漢字、部品、カタカナ」で、分解・合成できる視点を持つことです。
4年生以降に新しく登場する部品や基本漢字はとても少ないです。
漢字のしくみをとらえて、合理的に効率的に覚えてください。必ず復活できると思いますよ。
4年生が覚えにくい苦手な字とその覚え方「観」 4年生が間違えやすい苦手な漢字とその覚え方「達」