4年生〜6年生で取り組む漢字の覚え方・教え方

 小学校では高学年になればなるほど漢字が難しくなって、覚えられない、覚えにくい漢字が増えてきます。しかし、ミチムラ式で漢字学習に取り組むと高学年の漢字学習がとても簡単になります。その理由と教え方のポイントを簡単にまとめました。

高学年の漢字テスト平均点は60点台

 小学校では、年度末にその学年で習った漢字の習得状況を把握するためのテストが行われます。その結果を見てみると、1年生や2年生のときはクラスの平均点は90点台が当たり前でも、学年が進むにつれて平均点はみるみる下がり、5年生や6年生ではクラスの平均点60点台まで落ち込んでしまうのが普通です。

 つまり、高学年で95点以上をとるような子どもはクラスに一人か二人しかおらず、クラスにいる半数の子どもたちが漢字をきちんと覚えられていない、あまり書けていないということです。

 しかし、全校でミチムラ式漢字学習法に取り組んでいる学校では、クラスの平均点が高学年でも80点台が当たり前、すごいクラスは95点を超えてきます。

学年末の平均漢字習得率の表
※ 上記は2011〜16年に調査協力いただいた学校のデータです

 こうした結果が出るのは、ミチムラ式漢字学習法を取り入れた先生たちの教え方や働きかけが上手で、子どもたちが漢字の勉強を楽しんだ結果ですが、最大の理由はひたすら書かせる漢字学習をしなくなったからです。

 さらに言えば、ひたすら書いて覚える勉強法ではうまく覚えられずに、取り残されていた子どもたちの漢字力が急激にアップしたことが最大の要因です。そうでなければ、クラスの平均点が90点を超えることはありえません。

4年生以上で間違えやすい漢字、覚えられない漢字

 ミチムラ式漢字学習法は、基本漢字と部品(パーツ)、カタカナが書ければ、あとは部品の組み合わせで中学校までに習うすべての常用漢字を簡単に覚えられるように工夫しています。

 4年生以上で間違えやすい漢字の具体例を挙げてみましょう。

線が1本多い? 少ない?

 線が1本多い、少ないで間違えるのは漢字学習のあるあるです。

 基本的に漢字は線の構成なので、手本を見ながら線を1本ずつ書き足していくような書き練習をしていると、その場では書けてもいざテストになったときは線が2本だったか3本だったか、わからなくなってしまいます。

「辞

 右下の部分(十)で線を一本多く書いてしまう子どもが多いです。

 手本を見て書き写したり、一字を丸ごとかたまりで覚えようとするとごちゃごちゃして覚えるのが難しいです。

 「辞」を部品に分解すると「千、口、立、十」です。これらは全て1年生の漢字なので、単漢字ならほとんどの子どもが書けます。

 そこで書き方を覚えるときにミチムラ式漢字カードの通りに「千(せん)、口(くち)、立(たつ)、十(じゅう)」と唱えて覚えれば間違えません。

辞の漢字カード
「舌」は6年生で習う字ですが、すでに低学年の漢字に部品として登場しています。

「達」

 右下の部分を1本少なく書いてしまう子どもが多いです。

 「達」の右下は「羊」です。「羊」は3年生で習う字ですが、不思議と多くの子どもが書ける字です。左右対称なので書きやすいのかもしれません。

 ミチムラ式漢字カードには、「つち、ひつじ、しんにょう」と書いていますが、手本を見て書き写しているだけでは「達」の右下を「羊」と認識できないので、テストでは1本少ない「羊」を書いてしまいます。

羊は3年生で習うので「3年」と表記しています。
「タチ」は常用漢字表外の読みなので表記していません。

 右下の部分を1本少なく書いてしまうのは、2年生で習う「南」にある1本少ない「羊」と混乱している、またはしんにょう以外の部分を同じく3年生で習う「幸」だと思い込んでいます。

 しかし、1本少ない「羊」が使われているのは、全常用漢字のなかで「南」と「幸」の2字しかありません

 5年生で「報」が出てきますが、これも右側は「幸」です。さらに中学校では「献」「摯」「執」が出てきますが、いずれも「南」と「幸」です。

 つまり「1本少ない羊」が使われるのは「南」と「幸」の2字だけで、あとはすべて「羊」。そうインプットすれば子どもが覚えやすくなると思いませんか?

 ミチムラ式漢字カードでは、「南」と「幸」で下のように示し、インプットしやすいように部品カードも用意しています。

道村静江

「幸せ」と「辛い」も子どもが混乱しやすいですね

形がごちゃごちゃして覚えにくい

「護」

 5年生で習う「護」は画数が多く、とくに右側がごちゃごちゃしています。そのため、漢字テストではほとんどの子どもが書けません。

 ミチムラ式漢字カードでは、「ごんべん、くさかんむり、ふるとり、また」と示しています。

 覚えるときのポイントは「ふるとり・隹」です。多くの人が知らない部品ですが、多くの漢字にとてもよく使われている部品です。

護の漢字カード
「まも_る」は常用漢字表外の読みなので表記していません。

 最初に「ふるとり・隹」が出てくるのは、2年生で習う「曜」です。3年生の「集」「進」にも使われています。「曜」は学校などで日常的に目にしている漢字なので、子どもたちはすぐに「ふるとり・隹」を認識できます。

「ふるとり・隹」は漢字カードの通りに唱えれば書けるようになります。

 「隹」のカタチを「ふるとり」と覚えておけば、「護」は「ごんべん、くさかんむり、ふるとり、また」で簡単に覚えられるし、書くときも間違えません。

道村静江

「又」は中学校で習う単漢字ですが、低学年のうちから部品としてくり返し登場しています。

「観」

 「護」と同じように、4年生で習う「観」も横線が多くてごちゃごちゃしています。漢字テストでもほとんどの子どもが書けません。

 しかし、「観」にも「ふるとり・隹」が使われていることに気づくでしょうか? 子どもはもちろん、先生も大人も気がついていません。ちょっとカタチが違うので、難しいかもしれませんね。

 ミチムラ式漢字カードでは、「ノ・ニ、ふるとり 合体、みる」です。

観の漢字カード

 ポイントは、「ノ・ニ」 と「ふるとり・隹」を合体させていることです。「ふるとり・隹」の1画目に書く「ノ」が上に伸びて、「ノ・ニ」の部分と合体しているように見えませんか? 

 これで子どもたちの頭はスッキリ。「観客のカン、ノ・ニ、ふるとり 合体、みる」と何度か唱えてから書くと、すぐ書けるようになるし、子どもたちは漢字テストでもきちんと書けるようになっています。

高学年で習う字のほとんどは1~3年生の組み合わせ

 高学年の漢字テスト平均点は60点台と冒頭で書きました。しかし、60点台にいる子どもたちの多くはすぐに復活できます。

 というのは、高学年で習う漢字のほとんどは1〜3年生で習った字組み合わさったものばかりだからです。

 実際に、先に挙げた4字に使われている部品は、3年生で習う「羊」をのぞけば1~2年生で習った字に使われている部品ばかりです。

 つまり、高学年で多くの子どもが間違える、書けない漢字も部品に分解すれば、低学年ですでに習った字、これまで何度も書いてきた字の組み合わせなのです。

道村静江

 漢字を部品に分解して示してあげれば、子どもはすぐに書けるようになるし、覚えやすくなります。

 これは難しい漢字に限ったことではなく、4~6年で習う字の58%は1~2年生で習った字の組み合わせ、82%は1〜3年生で習った字の組み合わせで書ける字なのです。

 さらに、中学校で習う1,110字の795字(72%)も1~3年生で習う字の組み合わせで書けてしまう字です。

(以上、ミチムラ式漢字学習法調べ)

 下の表をご覧いただくとわかるように、4年生以上で習う漢字のほとんどが1〜3年生の漢字に使われている部品の組み合わせで書けます。

 これがミチムラ式で漢字学習に取り組むと、高学年や中学校の漢字学習が劇的にラクになる理由です。

 3年生までの漢字にがんばって取り組めば、高学年になる頃には何度も書く練習をしなくても、簡単に覚えられてテストでも書けるようになります。

漢字が苦手な子どもの場合

 高学年で漢字テストの点数が50点を下回るような場合は、まずは3年生までに習った漢字を復習しましょう。

 その理由は上記の通り、3年生までの漢字がクリアできれば4年生以上の漢字も簡単にクリアできるようになるからです。

 1年生の漢字は、漢字が苦手でも多くの子どもが書けます。そして5年生や6年生で1年生の漢字を復習するのは、さすがにプライドが傷つくかもしれないので、まずは2年生や3年生の漢字で書けない字、忘れてしまった字を復習するとよいでしょう。

 そして、2年生や3年生の漢字に登場する部品の名前を覚えましょう。ごちゃごちゃしてカタチがはっきりしない部分でも、部品の名前を覚えることでそれぞれ似たカタチ同士を言葉で区別できるようになります。

 これらの部品は4年生以上で習う漢字にも繰り返し使われているものばかりです。新しい漢字を覚えるときでも格段に覚えやすく、そして書きやすくなるので、ぜひ名前を覚えてよく似たカタチを区別できるようになりましょう。

 漢字カードを使って低学年の漢字を復習すると、漢字を部品に分解する目が養われて、部品の組み合わせで4年生以上の漢字を効率よく覚えられるようになります。

 3年生までに習う字は今まで何度も書いてきて、日常生活でもよく見聞きする字ばかりです。いまの学年で習う漢字を必死に覚えようとがんばることに比べれば、復習にはそれほど多くの時間がかかりません。「急がば回れ」の気持ちで復習しましょう。

道村静江

 日常生活でよく使う漢字の知識きちんと身につけておくことはとても大事です。大人になって恥ずかしい思いをしないためにも必要です。

 高学年の漢字テストで30点を下回るような場合、子どもは本当に困っています。漢字が極端に苦手な子ども向けの記事は下記を参考になさってください。現在の学習方法や学習環境を見直すなどしましょう。

子どもが漢字を覚えられない理由と支援・サポート方法

覚えた漢字を忘れないためには

 覚えた漢字を忘れないことも大切です。テストで書けないと意味がありませんからね。

 覚えた漢字を忘れないようにするには、普段から漢字を使うようにするのも大切ですが、最大のポイントは「なりたち」を知ることです。

 漢字の「なりたち」は辞書に載っているような難しい話と思われがちですが、漢字を丸ごと暗記して覚えようとするのではなく、部品の組み合わせで漢字を理解して覚えることが、重要ということです。

 機械的に漢字を覚えようとしても、漢字は似たような字ばかりなので覚えきれないし、忘れたり、混乱してしまうのは仕方ありません。現在の一般的な漢字学習のスタイルがそれを証明しています。

 部品を知ることで漢字を覚えやすくなる忘れにくくなる、といったメリットに加えて、漢字学習が楽しくなる要素もあるからです。詳しくは下記の記事を参考になさってください。

部品のイメージ画像 部品(パーツ)の意味を知ると漢字が覚えやすくなる

書いて覚える学習からの転換を図ろう!

 高学年になっても同じ字を10回書いて練習する学習スタイルに意味はありません。低学年でもあまり意味はありませんが、とくに漢字が苦手な子どもにとっては、頭の中が余計に混乱してしまう勉強法です。やめましょう。

 何回も同じ字を書くような勉強は、何よりもつまらない、大変な思いをしてがんばったのに覚えられない、「やる意味があるのかな?」と子ども自身が疑問に思っているはずです。

 そんなことよりも、漢字を部品に分解して、部品の組み合わせで漢字を覚えるコツを伝えてあげましょう。合理的な方法で、効率よく漢字を学べることがわかれば、漢字嫌いになってしまっている子どもたちも振り向くかもしれません。

 高学年で習う難しそうな漢字でも、そのほとんどが1年生や2年生の漢字の組み合わせで書けることを知ったら、ほとんどの子どもが「なんだ、簡単じゃん!」と言います。

ミチムラ式漢字カードをご活用ください

 ここまで説明したことはミチムラ式漢字学習法のオリジナルな考え方です。一般的な考え方とは異なる部分が多くあり、万人に受け入れられる学習法ではありません(とくに小学校では)。

 ほとんどの日本人は漢字を書いて読めるので、誰でも子どもに漢字を教えることは可能です。しかし、漢字を書かずに教える方法や覚え方のコツを誰もが系統立てて上手に説明できるわけではありません。学校の先生も然りです。

 そこで、ミチムラ式漢字カードをご活用ください。漢字カードには、すべての常用漢字を調べ尽くした根拠合理性が反映されています。漢字が苦手な子どもたちと向き合ってきた経験も詰め込んでいます。

 ひたすら書いて覚える漢字学習よりはるかに合理的、ラクに効率よく漢字学習に取り組めるようになるはずです。漢字学習に困っている子どもがいる場合は、ぜひご検討ください。

ミチムラ式漢字学習法オンラインショップ

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