目次
中学校編の漢字カードが新しくなりました
品切れで販売終了となっていた中学校編の漢字カードを2021年にリニューアルしました。
従来の単色刷りからカラー刷りになって、部品の組み合わせもわかりやすく表示できるようになりました。
中学校編の漢字カードは筆順フォントも含めて、すべて「UDデジタル教科書体」を採用しています。
おかげで、従来版の漢字カードと比べて見やすくなっています。
漢字検定を受験しなくとも、漢字の難易度がなんとなくわかってよいかなと思ったので、漢字検定のレベルも示しました。
カード裏面の下段に記載する言葉は、単語親密度データベース(NTTデータ)で親密度の高い言葉から選んでいます。
つまり、漢字一字に対してなじみが深い言葉、より多くの方が認識できる言葉で、テレビや新聞などの活字媒体でよく使われる言葉です。
小学校編の漢字カードと同様のデザインに変更したので、読み方もわかりやすいと思います。
小学校で習う漢字と比べて、中学校で習う漢字を使う言葉はとても少ないですが、言葉の意味や使い方は難しく、かなりレベルアップします。
漢字によってはほぼ使わないような言葉もありますが、こうした言葉を見たことがある、聞いたことがある、という状態にしておくことが大事です。
小学校編の漢字カードでは、裏面の読み方から表面の書き方が言えるかテストできるように、当該漢字をかな表記していますが、中学校で習う漢字は言葉を丸ごと読めることが大切なので、漢字で表記しています。
小学校の時にミチムラ式漢字カードを活用していたら、きっと便利に活用いただけると思います。
ご注文は下記のオンラインショップからお願いします。
中学校の漢字もミチムラ式がオススメな理由
中学校で学ぶ漢字は1,110字です。
さすが中学生、小学校の倍のペース(1年間で約400字ずつ)で漢字が増えていきます。
しかも難しい漢字ばかりです。
しかし、安心してください。
中学校で習う漢字のうち72%は、小学3年生までに習った漢字に使われていた部品の組み合わせで書けます。
上記で示した「壊」「獲」の2字はすべて小学校で習った漢字に使われていた部品の組み合わせなので、小学校の漢字をミチムラ式で取り組んだ子なら、きっと覚えやすいはずです。
中学校編の漢字カードでは、部品や読み方でつながる小学漢字を使いながら示しました。
この形は何かの漢字に使われていたけど、なんだっけ?
大人でもなかなかパッと出てこないものですが、漢字カードを見れば一目瞭然です。
きっと効率よく覚えられると思います。
下の表は、中学校で習う全1,110字を小学校の学年レベルに分類したものです。
※ 画像化しているため細かい部分は読めないと思いますが、意図するところが伝わればOKです。
例えば、上記で示した「壊」「獲」の2字はどちらも小学校で習った漢字に使われていた部品の組み合わせで書ける字ですが、「衣」は4年漢字なので「壊」は4年生レベル、「けものへん」は5年漢字の「独」と「犯」に登場するので「獲」は5年生レベルに分類しました。
こうして中学で習う1,110字を1字ずつ分類していくと、そのほとんどが小2、小3レベルに分類されることがハッキリします。
この表を作るのはけっこう大変で、苦労しました。。。
小学校高学年レベルの組み合わせは1,110字のうち240字(21.6%)、中学校で初めて登場する基本漢字や部品を使う字(彙、瓶、鬱など)はたったの75字(6.8%)しかありません。
この表で伝えたいのは、小学校の漢字をミチムラ式で取り組んだ方なら中学校の漢字が難しいとは感じないはず、ということです。
なぜなら、難しそうに見える中学校の漢字も、そのほとんどは知っている部品の組み合わせで書けてしまうからです。
つまり、中学校で習う漢字も小学校高学年の漢字の覚え方と同じです。
4年生〜6年生で習う漢字の覚え方・取り組み方・教え方小学3年までに登場する、漢字のよく使われる基本漢字や主要な部品が書けるようになっていれば、あとは組み合わせ方を覚えるだけです。
何度も書いて覚えようとする必要はありません。
小学校高学年と同様に書き学習はさっさと済ませ、字の意味や言葉を覚えたり、他の教科の学習に時間とエネルギーを使ってください。
書体、フォントにもこだわっています
中学校編の漢字カードに使っている書体は、小学校編と同じく、見やすさと読みやすさに配慮して開発されたモリサワ(株)の「UDデジタル教科書体Pro」です。
読みにくさを抱える方でも読みやすい、新しい時代のユニバーサルデザインな教科書体フォントです。
さらに、書き順を示す書体にも「UDデジタル教科書体」の筆順フォントを採用します。
おかげで画数の多い中学漢字の筆順を見やすく表示できるようになりました。
また、小学校編と違って、カード左上に大きく示した漢字もUDデジタル教科書体で印刷します。
小学校編の漢字カードは、学校の現場の様子に合わせて一般的な教科書体で印刷しています。
しかし、漢字を覚えるステップに限って言えば、筆文字の要素が強い教科書体は時代に適していません。
鉛筆やボールペンの硬筆に適した書体を見本にしたほうが、見やすくて覚えやすいからです。
小学校ではとめ・はね・はらいを細かく注意する傾向にあるため、現場のニーズに合わせて従来の教科書体と似た書体を採用しています。
中学校編の漢字カードは50音順です
中学校編の漢字カードはア行から始まる50音順です。
なぜなら、中学校には学年毎の配当漢字が存在せず、学年や登場する順番は教科書会社によってバラバラだからです。
小学校編の漢字カードと違って、目的の漢字を探すのが大変かもしれません。
漢字カードを購入される場合は、この点をご理解いただいた上でご注文ください。
中学校での漢字学習の取り組み方
まず初めに、中学校の国語の授業で漢字を教える時間はありません。
基本的に自学自習で学ぶスタイルです。
小学校の漢字をミチムラ式で取り組んだ子は、中学漢字もミチムラ式で覚えていきましょう。
前述したように、中学漢字こそ部品の組み合わせで覚えたほうが効率的だからです。
漢字を書いたり覚えたりするのが苦手でも、部品の組み合わせで漢字を認識できるようになれば、漢字を読める、言葉の意味がわかる、漢字を使い分けられるように導きやすいです。
中学漢字は同音異字も多いですが、「壊・懐」、「穫・獲」、「渇・喝・褐」のように部品が1つだけ異なる字が多く登場します。
こうした漢字郡は多くの大人も使い分けに悩む字ですが、部品の組み合わせで覚えるミチムラ式なら、よく似た字の違いもはっきりとインプットできます。
たとえば、小学校で「のぎへん」=「稲の穂が垂れている様子」、「けものへん」=「犬を描いた、けものに関係する」ことがインプットされていれば、「穫」と「獲」の使い分けにも気をつけられます。
ちなみに、これらの字に使われている部品はすべて小学校ですでに習っていて、何度も書いているはずです。
部品の名前と形がインプットされていれば、練習しなくてもさっと書ける子は多いです。
このスタイルで新しい漢字を認識して読めるようになったら、その漢字が使われていて知っている言葉を増やしましょう。
読書を通して自然と語彙を増やしていければ本人も苦労せずに言葉が増えていきますが、読書が苦手、嫌い、というケースもあると思います。
そうした場合でも、漢字カードの裏面に書いた言葉の意味がわかるように導きましょう。
それらの言葉に使われている漢字のほとんどは小学校で習った漢字ですし、そこに使われている漢字が高校入試にも出題されます。
加えて、国語の試験だけでなく、理科や社会の試験でも難しい言葉は多く登場するので、まずはしっかり読めるようにしましょう。
「漢字の勉強=書く」という常識にとらわれず、効率的に中学漢字をクリアしていってください。
小学校の漢字に登場する部品の意味や組み合わせの意味は、電子書籍の漢字eブックで解説しています。
また、漢字eブックの大人用サンプルで「鬱」と「醸」のコンテンツを作成したので、閲覧可能な方はぜひ読んでみてください。
中学校で習う漢字は読めることが重要!
中学で学ぶ漢字は1,110字です。多いですね。
小学校で学ぶ1,026字を合わせて、小中の9年間で学ぶ合計2,136字が日常生活でよく使う常用漢字です。
常用漢字は新聞や報道、活字媒体や公用文書で漢字を用いる時の目安とされていて、それ以外の字は基本的にかな表記されることが一般的です。そして、この常用漢字は小中9年間で学ぶこと、と規定されています。
中学校を卒業するまでに、そんなに多くの漢字を読み書きできるようにしなければならないなんて、ゾッとすると思います。
しかし、安心してください。
難関私立高校などの入試問題は別ですが、公立高校の入試問題で中学漢字の書き問題は基本的に出題されません。
書かせる問題があっても、それは小学校5、6年生の漢字であることが多いです。
ミチムラ式漢字学習法では、漢字は書けるよりも、まずは読めることを大事にしましょうと訴えていますが、その根拠は中学校の学習指導要領にも書かれています。
わかりにく文章なので簡単に要約すると、下記のようになります。
- 中学で習う漢字を読めるようになりましょう
- 小学校で習った漢字を書いて、文や文章の中で使えるようになりましょう
学年別配当漢字とは小学校で習う漢字のことなので、”中学で習う漢字を書けるようになりましょう”とは書いてありません。
中学校の3年間で、「小学校で習った漢字を文や文章の中で使い慣れること」が目標とされています。
だから、公立高校の入試で中学漢字の書き問題は基本的に出題されないのです。
実際の高校入試問題を見てみましょう。
漢字の読み方を問う問題は中学漢字の範囲ですが、神奈川県の公立高校入試問題はテスト用紙に漢字を書く必要がない選択式です。
近年は、漢字を書かせずに選択させる問題が多くなりました。
「イコウ=遺稿」はちょっとレベルが高いかもしれませんが、問われている漢字は6年生の漢字が2問、4年生と3年生の漢字が各1問です。中学校で習う漢字は問われていません。
カタカナで書かれた言葉の中には中学漢字も多く使われていますが、言葉と意味をなんとなく知っていれば、漢字を書けなくても正解は選べそうです。
だからといって、漢字を書けないでもいいですよ、と言いたいわけではありません!
小中9年間で学ぶ常用漢字はすらすらと書けたほうがよいですし、実際に日常生活でよく使う言葉に使われている漢字が多いです。
入試に限って言えば、実際に書けたほうが上記の問題も確実に正解できます。
しかし、漢字を書くのが苦手、文字を書くことに困難さがあるケースでは、書けるために練習する弊害のほうが大きい場合が多々あるので、非難されるのを覚悟で「漢字は書けるよりも読めることが重要」と言っています。
とくに小学生の時は、苦手な漢字をひたすら書かされて、勉強が嫌い、勉強への意欲そのものを失ってしまう弊害が本当に大きいのです。
漢字を覚えるのが苦手な子どもに苦行を強いて、学校や勉強を嫌いにさせるくらいなら、「漢字は書けなくてもいい、読めればOK」と割り切ることも必要です。
なぜなら、ひと昔前と違ってスマホやPCなどのIT端末を活用すれば、日常生活で漢字を書けなくて困る場面はどんどんと減っているからです。
上記で示したように、あまり漢字を書けなくても高校や大学入試はクリア可能です。
ただし、漢字をしっかり読めて、言葉を知っている必要はあります。
読めない、言葉を知らない状態では、国語だけでなく他の科目でも本来の実力を発揮できません。
そのためにも、中学校では小学校の時とは意識を変えて、言葉を増やす漢字学習に取り組みましょう。
特性があって読むことに困難さがある場合は、高校入試で特別配慮を申請することができます。中学校の先生とよく相談なさってください。