1年生で習うのは単純な形の「基本漢字」が多いです。しかし、いきなり手本を見ながら写し書きを始めると、漢字を図形のようにとらえて、例えば「口」を一筆書きしてしまう場合があります。まずは書き方を口に出して、書き方を確認しましょう。最初の出会い、インプットが大切です。
※ミチムラ式の漢字教材に取り組もうとする方に最初に伝えたいことは、「見本を見ながら何度も書き写す作業はやめた方がよい」ということです。
昔から“漢字は書いて覚える”が定番ですが、その単純作業に面白みや楽しさを見出せずに、多くの子が漢字嫌いになっている現実があります。
そして、漢字テストで悪い点を取って「あんなに練習したのに…。」とがっかりする理由は、覚え切れていないからです。
ぼんやりと認識していて、はっきりと頭に浮かばないから書けなかったり、間違えたりする可能性が大きいのです。
また、線は「横・縦・斜め・点」の4種類程度の区別しかなく、それを一つずつ書き足していくと混乱するのは当然のことです。
「ミチムラ式漢字学習法」は、すでに書けるようになっている形を使い、かたまりでとらえて、小学1年の漢字から順を追って学習できるように組み立てています。
一方で、1年生の漢字は半分以上が「基本漢字」です。
基本漢字とは、漢字を分解すると一本ずつの線の足し算になってしまう漢字で、これから先、多くの漢字に使われるものです。この基本漢字だけは正確に書き順通りに書けるようにしなければなりません。
まずは書き方を口に出して、確認しましょう。
例:「口」=たて、か~ぎ、そことじ 「手」=ノ、二、みぎにふくらんだはねぼう
「口」の書き方
「手」の書き方
これを数回唱えればきっと覚えられますよね。
その言葉だけを棒読みで言えるようにするのではなく、線の場所・向き・長さ、交わり方や形などを確認しながら、字の形を目に焼き付けながら、すらすらと言えるようにしましょう。
そして、目を閉じて言ってみてください。きっと頭に浮かぶはずです。
字の形が頭に浮かんだら、手本を見ないで唱えた通りに書いてみましょう。きっと書けるようになっていると思いますよ。
でも、基本漢字の中には「耳」や「年」のように、書き方の文章が長くて言いにくく、覚えにくいものがあります。
そんな字は唱えながら書く練習をすればよいです。
「耳」の書き方
「年」の書き方
唱える言葉の中には、線を書くときの注意点が含まれています。
もし、声に出さずに書き写そうとすると、目に入ったところから書こうとして、書き順が違ったり正確に書けなかったりします。
だから、書き方は声に出しながら書いてほしいのです。