3年生までに習う漢字は日常生活でよく使います。しかし、それらの多くは漢字二字の音読み熟語として登場することが多いです。訓読みだけを覚えて読めた気になっていると、高学年の教科書に登場する言葉を読むことも難しくなるので、ウラ面の下段を参考に下学年の音読みも復習しましょう。
3年生になって音読を熱心にやらない、読書に手を出そうとしないという悩みを抱えていませんか?
低学年の時に、教科書の音読を繰り返して「読める」と安心していてはいけません。
音読を繰り返すことと、初見の文章を読めるようにするトレーニングは似て非なるものです。
そして、漢字カードは漢字一字を覚えるためのものですが、漢字カードの読み方と書き方を覚えてテストをクリアできたとしても、その先の「文章を読める」という状態に達するためには、言葉を知ることが大切です。
そこで、漢字カード裏面の使い方を解説した『言葉とセットで読み方を覚えよう』の記事を下に要約します。
- 1,2年の漢字は訓読みを先に習うものが多く、音読みが上の学年で習うので要注意!
- 3年以上の漢字は、新出漢字が登場した段階で、全ての読み方をマスターしておかなければならない。
- 訓読みよりも音読みを覚えることが絶対に必要である。
私たちがふだんの生活で使う話し言葉は訓読みが中心ですが、書き言葉では漢字二字が並ぶ熟語が多く使われています。
そして、熟語の多くは音読みで読む「漢語」である場合が多いです。
訓読みの話し言葉 | 音読みの書き言葉 |
朝ごはん | 朝食 |
起きる | 起床|発生 |
休む | 休憩|休息|欠席|病欠… |
例えば、小学生の子どもに下のような熟語をどう読んでいるかを確認してみてください。
車中|岩石|大小|上下|左右|強弱|名月|赤道|雨天
上の言葉をもし訓読みで読もうとしていたら、その子は漢字の読み方を訓読みの1つしか覚えていなくて、音読みが入っていない課題を抱えています。
そして、音読みが覚えられていない子は教科書の文章も声に出さすに黙読しているケースが多いです。
音読みを覚えていないのでどう読むのかわからない、声に出さないのは読み方が違うだろうと自分でもわかっているからです。
さらに、頭の中で訓読みに変換して読もうとするひと手間が加わるので、文章を読むのに時間もかかるし、頭も疲れます。
これは日本中の多くの子に見られる現象です。
加えて、3年生で漢字に苦手意識を持ち始めると、耳から入る言葉だけに頼って、積極的に漢字で書かれている文章に接しようとしなくなります。
文章に接しないので、漢字を目にする機会も少なく、思い出すのに時間がかかるので、さっと書けるひらがなで書こうとします。
だから、せっかく漢字を勉強しても、一字を書けるようになることに意識が向いていると、文章を読めない、言葉の世界も広がりません。
これは、実にもったいない学び方です。
3年生までの漢字は生活のあらゆる場面で使われているので、漢字1字の読み方と、どんな意味をもってどんな言葉に使われているかを押さえながら、言葉を読める実力を養ってください。
特に、漢字二字の熟語を音読みで読めるようにしておかないと、4年生以降に漢字だらけの教科書が読めない、読書が嫌い、情報が文字で入手できないという「漢語の壁」にぶつかります。
そうすると、高学年から先の学習が進みません。
だから、3年生までの漢字の読み方(特に音読み!)を覚えて、多くの言葉を正確にすらすら読めるようにしておきましょう。
ミチムラ式では、漢字カードウラ面の下段によく使われる言葉を載せ、電子書籍の「漢字eブック」ではイメージ写真と一緒にたくさんの言葉を紹介しています。
一字が読み書きできるようになったら、言葉を増やす学習に重点を置いてもらいたいと願っています。