ウェブサイトをリニューアルしました!

1年生・漢字学習に取り組む前の3ステップ

 1年生は最初にひらがなを習い始めて、夏休みが終わる頃にカタカナを習います。ひらがなとカタカナが終わったら、いよいよ漢字学習がスタート。中学校まで続く長い漢字学習の始まりです。

漢字学習に取り組む心がまえ

 小学生の間は、漢字ドリルなど書き取りの宿題が毎日のように出されます。1年生で漢字を習い始めたばかりの頃は、書ける字や読める字が増えていく嬉しさで、目をキラキラさせながら、喜んで漢字の勉強に取り組む子どもがほとんどでしょう。

漢字の勉強にまつわる苦労

 しかし、3年生くらいになってくると漢字の勉強を嫌がるようになる子どもが増えてきます。

 宿題はちゃんとやった? 漢字テストの点数は? ちゃんと書けてる? などなど、各家庭でチェックすることや気になることも増えてきます。3〜4年生頃の漢字の勉強をめぐる各家庭の負担やストレスは相当なもの。漢字の宿題をめぐってケンカになることだってあるかもしれません。

道村静江

漢字の読み書きだけはしっかり身につけてほしいという親心はなかなか伝わらないものです。

 しかし、漢字の読み書きを覚えることはすべての勉強の土台、小学生にとって基礎中の基礎の勉強です。テクノロジーがさらに発達した未来はどうかわかりませんが、この先しばらくは漢字の読み書きを覚えることが勉強の土台となる現実は変わらないでしょう。

 また、漢字が嫌い、漢字の苦手さを放っておくと高学年になっても低学年の漢字をろくに書こうとしない、国語以外の教科でも教科書が読めない、テストの問題文が読めない、わかっているけど答えを書けない、といったことが起きてきます。

 1年生で漢字を習い始める段階から、先々を見通した漢字学習に取り組むことで、回避できる苦労は多くあるので、まずは漢字を習い始める、習い始めたころに大切な心構えのようなものを紹介したいと思います。

言葉や文字に興味はありますか?

 漢字の勉強を始める前に、そもそも大前提として文字や言葉に興味があるでしょうか? 文字や言葉に興味がない段階で、漢字を教えよう、覚えさせようとしてもなかなか入っていきません。そこで、本格的な漢字学習が始まる前に、下記の3ステップを意識して取り組むとよいでしょう。

  • 幼児期に読み聞かせや語りかけなどを通して言葉に興味を持たせる
  • 話し言葉が文字で書き表せることを知って「書きたい!」の気持ちを十分に引き出す
  • カタカナをしっかり書けるようになりましょう!

道村静江

ステップ1で「幼児期に」と書きましたが、1年生からでも遅くありません。言葉に興味を持つことはとても大事なこと。まずはそこから!

カタカナをしっかり書けるようになりましょう

カタカナは漢字の基本です

 直線文字のカタカナには、縦・横・斜め線、始点・終点、はね・はらいの向きなど、漢字を書く時の基本の書き方・線の運びが含まれています。まずは画数の少ないカタカナで、漢字を書くときに役立つ基本的な運筆指先の動かし方をしっかり習得しましょう。

ひらがなとカタカナは同時にインプットがおすすめ

 また、小学校ではひらがなとカタカナを別々に教えますが、特別支援教育や外国人向けの日本語教育の分野では、ひらがなとカタカナを同時にインプットするのが有効という研究もあります。

 カタカナは、ひらがなに似た字やひらがなの一部を切り取ったような字も多くあります。ひらがなと関連させてカタカナを覚えやすくしましょう。

道村静江

私の経験でも、ひらがなとカタカナは関連させて同時に教えるのがオススメです。

 くねくねと曲がって線のつながりが難しいひらがなよりもカタカナのほうが書きやすいです。書くのが苦手な子どもは、まずはカタカナから覚えるのも悪くありません。それでもカタカナが覚えられない子どもには、漢字を通してカタカナをインプットすることもできます。

 日本の文字の歴史をひもとけば「漢字→カタカナ→ひらがな」の順番で作られているので、カタカナと漢字が密接に関わっていることは理解していただけるはずです。

カタカナこそよく使う、よく見る

 カタカナは日常生活でよく使うし、目にする機会は多くあります。街中で見かける看板などは、ひらがなよりもカタカナの方が多く使われているくらいです。

 また、1年生の夏休みの宿題によく出される絵日記では、すべてひらがなで書かれていることが多くあります。しかし習っていなくても「スイカ」や「プール」などはカタカナで書いた方が望ましいですね。

 1年生でも知っているカタカナを使う言葉は多くあります。こうしたところからカタカナとひらがなの違いを少しずつ意識させて、上記ステップで示した言葉への興味・関心を引き出すことも可能です。早い段階からカタカナを積極的に使うように働きかけるのがよいでしょう。

カタカナは漢字の部分に多く使われています

 1年生で習う漢字の多くにカタカナが使われています。カタカナがそのまま使われている字もあれば、形が少し変わって使われている字も多いです。ほとんどの人はあまり意識しませんが、下の画像で示した漢字のなかにどんなカタカナが使われているでしょうか。

Q. 下の漢字にどんなカタカナが隠れているでしょうか?

質問

下にスクロールすると答えです。すべて見つけられたでしょうか?

A.すべて見つけられたかな?

答え

道村静江

 どうでしょうか。これはカタカナか? と疑問に思われるかもしれません。しかし「宀・うかんむり」、「冖・わかんむり」という名前がついているくらいですから、カタカタだと思えばよいのです。子どもにとって難しく感じる漢字でも、親しみを感じられて覚えやすくなります。

 1年生のミチムラ式漢字カードには、こうした要素をふまえて、カタカナを使って漢字の組み合わせ方を示しています。漢字にカタカナが多く使われていることに気がつくと、子どもは漢字を覚えやすくなって書きやすくなります。

1年生の漢字カードおもて面

 2年生になると、画数が急に増えて難しい漢字が少しずつ登場するようになります。上の学年になったとき、複雑な形の漢字を書き写して覚えようとするよりも、部品に分解して組み合わせで覚えた方が効率的に漢字をラクに覚えられるようになります。

 1年生で習う単純で容易に書き写せる漢字でも、部品に分解する目を養うつもりで、カタカナを利用して漢字を捉えられるようになりましょう。そのほうが早く覚えられるし、後がラクです。

教科書の巻末を利用しよう

 教科書の巻末には、その学年で習う漢字がまとめて掲載されています。そうした漢字のなかから、漢字に隠されたカタカナをいくつ見つけられるか競争するのも楽しい学習です。

国語の教科書の巻末には、習った漢字が一覧で掲載されています。

 教室でカタカナ探しを競争すると、子どもはノリノリになって必死になって探します。なかには、自宅に帰ってからお兄さんやお姉さんが使っている上の学年の教科書を借りて探してくる子も現れます。単純に教えるばかりではなく、こうして自分で発見する喜びを経験できると、学習がより楽しいものになります。

 1年生でカタカナの書きにつまずいているようなケースがあったら、ほったらかさないで専門家に相談しましょう。苦手さを抱えていても、もっとがんばれと言われれば本人はがんばろうとします。先生や保護者が子どもが抱える苦手さに気がつかないで、そのまま漢字学習(とくに書いて覚えようとすると)に突き進んでしまうと、周りと同じように覚えられない、書けないことで自信を失い、学習全般がストップ、学校へ行きたくないという気持ちが生まれます。
 近年は、そうした子どもの特性をチェックするテストや、読み書きが苦手でもその苦手さを助けてくれるツールが多くあります。周りの子どもたちと同じようにできなければならない、しなければならない、などと思わずに、子どもの特性や多様性を尊重しながら学習に取り組めるようにサポートしてあげましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です