1年生と比べて、2年生で習う漢字は画数がグッと増えます。しかし、2年生の基本漢字は27字だけ、残りはパーツの組み合わせで書ける字です。基本漢字と部品だけは書けるようにして、漢字に使われるカタカナも含めて、パーツのかたまりで漢字をとらえられるようになりましょう。
そして、3年生で習う漢字の半分以上は1·2年生の基本漢字と部品の組み合わせで書ける漢字です。だから、すでに書ける部分を何度も書いて覚えようとする必要はありません。意味のある部品が組み合わさった漢字の本質を利用して、効率よくクリアしていきましょう。
基本的に漢字は線の構成です。だから、よく似た形の漢字が多くあります。
それらを1本ずつ線の足し算で覚えようとするとどこかで限界が来るし、よく似た形に混乱してしまいます。
だから、「基本漢字」と「部品」が最初に登場した段階で、この2種類は書けるようにがんばりましょう。
「基本漢字」と「部品」はそれぞれ画数が少なくてシンプルな形をしているものが多いので、書くのが苦手な場合でも覚えられると思います。
そして、基本漢字と部品の名前と形を覚えたら、それらを組み合わせた漢字を覚えるときに最初から1画ずつ書いて練習し直す必要がなくなります。
「漢字は書かないと覚えられない」と思っていませんか?
いいえ、そんなことはありません。覚え方の工夫次第です。
漢字の中にすでに書けるようになった部分を見つけて、かたまりごとに覚えればよいのです。
部品の組み合わせで書ける漢字は、1年生では学年配当80字のうち約半分の42字ですが、2年生では160字のうち133字、3年生では200字のうち188字と、急激に増えます。
3年生の漢字に登場する部品は少し難しくなりますが、初登場の段階で書けるようにして、部品の名前を覚えるようにしてください。なぜなら、4年生以降はもちろん、中学生までに習う常用漢字に繰り返し何度も出てくるからです。
私たちの経験から言うと、3年生の学習が半分ほど過ぎた段階で、急に覚えるのがラクになると感じるはずです。
それは、すでに書けるようになっている基本漢字と部品の組み合わせで書ける字がどんどん増えてきて、ややこしい構成の漢字も部品の組み合わせで書けるようになるからです。
ミチムラ式漢字学習法の最大の特長は、「漢字は意味あるパーツの組み合わせで構成されている」という漢字の本質を利用して、「漢字をパーツに分解・合成の視点で効率よく学べる」ようにしていることです。
つまり、漢字のパーツを確実に覚えて書けるようになれば、次に同じパーツが登場した時にその部分を書いて練習する手間と時間をショートカットできます。
漢字はどれもよく似た形をしているので、何度も書いているうちに、ちがうパーツに入れ替わってしまったり、線が一本足りない、多いなどのまちがいが発生しがちです。
そうした練習は漢字を覚える段階では時間の無駄になるだけでなく、子どもに余計な遠回りをさせることになりかねません。
つまり、新しい漢字が出てくる度にすでに書けるようになっているパーツを書いて練習するのは時間の無駄なのです。
テストで書き間違えたり、思い出せない漢字があっても、書き間違えた部分だけを練習したり、そこだけ覚え直せばよいのです。
だから、1〜2年生で多く登場する基本漢字と、2〜3年生で多く登場する部品の形(書き方)と名前を覚えて、パッと思い出せるようになりましょう。
そうすると、2年生で習う漢字の83%、3年生はなんと94%の漢字が組み合わせで書ける漢字なので、書いて覚えるために費やす膨大な時間とエネルギーを節約できます。
漢字を書くのが苦手という場合でも、1年~3年の「基本漢字」と「部品」をがんばって覚えたら、4年生以降に習う漢字はとてもかんたんに思えるはずです。
とくに漢字を覚えるのが苦手な場合は、漢字を覚える作業と書く作業を同時進行で行うのは負担が大きいです。整った字を書けるようにすることは別の課題と認識して、まずは覚える作業だけに集中するのが吉です。だから、ミチムラ式漢字学習法は「何度も書かずに唱えよう」と訴えています。